◆電気窯還元焼成ぐい呑み 2010. 12. 17
ここ数年、お正月には決まって自作酒器の使いはじめをしてきました。しかし、この時期に至って、その作品がないことに気付き、慌てて手元にある材料で作ったぐい呑みです。
右が備前、左が信楽赤土で、1000℃・4時間キープの素焼き後に、有り合わせの「淡雪釉」をたっぷり掛けて、「さや鉢」内で1260℃の還元焼成でした。素焼きさえしっかりしていれば、鉄分が多い赤系の土でも「ぶく」は生じません。
焼き締めが真骨頂の備前に釉薬を掛けた言い訳はしませんが、籾殻に変えて初めてコーヒー殻を使ったのですが、これが思いのほか備前と相性が良いことの確認ができました。まさしく「瓢箪から駒」です。
ともかく、これで美味しい新年を迎えることができそうです。
モフモフ(´ω`*)
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◆電気窯焼成鬼萩酒器 2009. 12. 29
萩焼は素朴で繊細な作風が持ち味ですが、私は武骨な鬼萩手に強く惹かれます。
初めて「鬼萩」に接し、想像を絶する強烈な造形と凄まじい釉の流れに打ちのめされたときの畏怖は今も忘れることが出来ません。
この正月こそは「鬼萩」でと思いたち、原材料を調達して早速作陶。
さすが萩の原土はザックリして形成し辛く、指も爪もガサガサ。やっぱり、鬼は手ごわい相手でした。
乾燥・素焼きの後、たっぷり白萩釉を掛けて、そのまま1200℃、ねらし無しで酸化焼成しました。
チヂレを意識しての焼成ですが、作品はどれも意気込みとはほど遠い迫力不足です。でも、正月に間に合ったことをよしとして、萩の土味と北海道の地酒を存分に堪能する所存です。
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◆登窯焼締めぐい呑み 2009. 10. 17
登窯は細長く連続する数個の部屋が階段状に連なっていて、最上部の室は煙突へと続いています。
一番下の部屋は、薪をくべる燃焼室で胴木間(どうぎま)といいますが、この部屋はビードロ釉や焦げの味わいが期待できる一方で、作品が破損する恐れのあるスリリングな場所です。
その胴木間で焼いたぐい呑。粘土は五斗蒔きです。
5個のうち3個が無事に生還しました。「出来の悪い子ほど可愛い」とはよく言ったもので、愛おしさが募る作品です。ヾ(愛´Д`)ノ。o○ |
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◆穴窯焼締めぐい呑み 2009. 09. 04
1年ぶり、2回目の経験となる穴窯に挑戦しました。
今回は20点もの作品を窯に入れましたが、酒器はこの5点だけで、あとは大振りの花器モドキで、追々アップしたいと思います。
おかげさまで、今回も降りかかった薪の灰が溶けて、粘土の成分と融合して、期待以上の作品に仕上がりました。
このぐい呑みで、ススキなどを配したベランダから名月を眺めつつ、歯にしみとうる秋の夜の酒を静かにいただきたいものです。
歯の治療中なので、ことさら「歯にしみとおる」が気がかりで、牧水も歯が悪かったのかなぁーなどと無粋な考えが脳裏をかすめます。 ポ─(*^ェ^*)─ッ
粘土は上段が古信楽で、下段の左2個が黄の瀬赤土、右端は忘れてしまいました (m´・ω・`)m ゴメン… 。
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◆電気窯還元焼成酒器 2009. 06. 07
先日、「芸術の森」の工房で焼いた作品の一部です。 ビールと冷酒が美味しい季節到来に間に合いました。
軽くて実用的なだけの作品ですが、今年も自作の酒器で、北国のいい夏を満喫できそうです。
粘土は信楽赤で、釉薬は名前に惚れて購入してみた「淡雪釉」。
厚掛けすることで、もう少し淡雪が張り付いたであろうに、残念 (´゚ω゚`)ショボッ
今回は、900℃から1230℃まで強還元した後、1240℃まで弱還元、最高温度を1250℃・ねらし30分、あとは窯任せでした。
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◆電気窯還元焼成茶器 2009. 05. 10
私の窯は酸化焼成だけですが、最近は還元焼成が可能な電気窯が開発されています。 プロパンガスの炎を窯に引き込み、酸欠状態にして還元焼成する構造を持つた窯です。
なんといっても還元焼成の妙は、ガス供給の調節で作品の様相が激変することです。たとえは、緑が美しい織部が、還元焼成をした場合は正反対色の赤が出現したりします。
その妙味に魅了されて、、「芸術の森」の工房に14時間以上も立てこもって焼いた作品です。
自己満足にも程遠いのですが、還元焼成のおもしろさは存分に堪能できました。 p(*^-^*)q へへへ♪
900℃から1200℃まで強還元・1230℃まで弱還元した後、最高温度を1240℃・ねらし30分に設定、あとは窯任せの焼成でした。 |
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◆登窯焼締めぐい呑み 2008. 12. 27
登窯の特徴は、細長い部屋を数室連続することで、作品を大量に焼成できることです。それに炎の対流を利用して各部屋の温度を一定に保てるので、釉薬を使用する場合など作品の均一性が期待できます。
このぐい呑みは、下のフリーカップと同じ古信楽土の焼き締めです。ビードロ釉や焦げの味わいには欠けるものの信楽特有土味を発揮して、温かみある素朴な作品に仕上がってくれました。
お正月にはこの大振りなぐい呑みで、地酒を心ゆくままで堪能する所存です。♪♪d(⌒o⌒)b♪♪
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◆穴窯焼締めフリーカップ 2008. 11. 16
穴窯は、山腹の傾斜地を石や粘土で固め、土の天井をかぶせたシンプルな窯です。
薪を燃やす室と、作品を入れる室とが同一のため、薪の灰が直接作品に降りかかって、緑色や鳶色に焼き締まります。
初めて憧れの穴窯に挑戦でしたが、予想以上の出来に満足を通り越して、虜になりそうです。
自分自身の嗜好の迷走に、船酔いぎみの今日この頃です。
このカップは、古信楽土を焼き締めたもの。
素地の長石が適度に露出して、薪窯ならではの力強さが出てくれました。大切に愛用したい作品です。
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◆備前焼締め酒器 2008. 07. 06
いつものビールを備前焼の器で呑むと、確実に美味しくなっていることがわかります。
岡山理科大学光藤浩之名誉教授によると、備前焼からでる電磁波が水やアルコールの分子に振動を与えて、味をまろやかにするとのことです。
日本酒の場合は、味や風味だけでなく、アルコールの分解を早めて、二日酔いを防ぐ効果もあるそうです。ですから、冷酒をギンギン冷やして呑んでも安心です。
札幌もようやく、夏本番。ビールと冷酒が格別に美味しい季節の到来です。
そろそろ、我が家のビールもお酒も充分に冷えたころ。まだ陽は高いけど、、作りたてのジョッキと涼酒注で晩酌といきますか。
「なまら旨いどー」。
興奮すると文章までが、北海道弁になってしまいます。\(^-^ )"
皆様も、ぜひ備前をお試しください。
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◆炭化焼成酒呑 2008. 05. 20
「サヤ鉢」に敷いた籾殻の上に作品を乗せて、その周りを覆うように炭を入れて1260度で焼き締めました。
用土は信楽の赤土です。
還元のかかった黒い箇所と酸化した赤い箇所とのコントラストが、うまい具合にとれれば成功ですが、いかがでしょうか。
使えば使うほど、うつわの表面に変化が現れ、飽きのこないうつわになるそうです。
でも、我が家では「こんなススけたコップ、体によくない」との母の猛反対で、未だ使用されていません。
可哀想だけど、よい嫁ぎ先が見つかるまで、しばし「箱入り」です。 (--,)ぐすん |
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◆備前緋襷 2008. 05. 17
備前焼には桟切り、胡麻、緋襷(ひだすき)等の装飾法があります。
緋襷は藁(わら)の痕が赤く焼きあがることから起こった技法です。登り窯では「サヤ」に入れて、炎を遮断して焼かなければならないため、緋襷は貴重な焼き方でした。
電気窯でも緋襷が作れるとのことなのでさっそく挑戦。
備前の田土で形成、乾燥後に1000度・5時間素焼きした器を稲藁で巻いて「サヤ」鉢に入れて1230度で本焼きしました。
備前焼きで飲む酒の美味さは折り紙つきですが、緋襷は別格。今夜は「稲穂の国」に生まれた幸せを噛締めながら、ゆっくりと美酒を頂きます。 v( ̄ー ̄)v
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◆焼締めぐい呑み(2) 2008. 05. 10
備前から取り寄せた田土と山土で、自宅の電気窯で自家製「さや鉢」に籾殻を敷いて、炭と稲藁で焼成しました。
備前焼はうわぐすりをかけないで、良質の陶土をじっくり焼き締めることで醸しだされる素朴なぬくもりが持ち味です。
土と炎が生み出してくれた単味に、ほっとできれはそれだけで満足です。
魯山人が備前の職人の失敗作を、焼きなおしたり、「金繕い」したりして、大切に使ったことがなんとなく理解できます。 |
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◆焼締めぐい呑み 2008. 02. 22
昨年10月に陶芸教室が突然閉鎖して以来、流浪の日々を送っていた私ですが、この度縁あって「札幌芸術の森」の電気窯で還元焼成に初挑戦。
還元焼成は一酸化炭素が多い環境で焼成することによって、素地や釉薬に入っている鉄分が還元され、鉄イオンの影響などで、これまでの作品にはない窯変が期待できます。
再出発の証として、備前の土と松灰で「焼締め焼成」を試みましたが、想像を絶する惨敗に、悔やむべき言葉を失いました。(゚◇゚)~ガーン
全てを闇に葬ることも考えましたが、「人間は新しいことに挑戦すると99.7%失敗する」という畑村洋太郎の「失敗学のすすめ」を思い出して、「成功の母」となってくれるであろう作品の一部を、記録に留めおくことにしました。 はずかしい・・・けれど。
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◆焼酎サーバー 2007. 12. 01
陶器製のサーバーは遠赤外線が焼酎の熟成を促して、味をまろやかにしてくれます。
「酒器好き」としては、気合を込めてのチャレンジでしたが、意欲と裏腹に釉薬の掛りが悪く、のっぺりと仕上がってしまいました。
粘土は白土、全体に黄瀬戸を掛けて、慎重かつ大胆に織部を上掛けしたはずですが・・・。(~ヘ~;)ウーン
「サーバーはうまいが一番だべサー」と、仕込んだ焼酎を飲みながら慰めてくれる来訪者を心待ちにしています。
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◆織部酒器 2007. 09. 06
武将でありながら、千利休の高弟でもあった織部が好んだことから名付けられた「織部焼」。桃山文化の自由奔放で独創的な 作風を今に伝えています。
現代アートをしのぐ斬新さが織部の真骨頂といえましょう。 それに、なんといっても緑色の絶妙な流れと、えも言われぬ「けしき」に心打たれます。
故郷の山河が「けしき」に現れる偶然を期待して、久しぶりに酒器に挑戦しました。 期待の「けしき」はどこにも見当たりませんが、暑苦しい夏の夜を癒してくれるに充分な清々しい輝きを放ってくれました。
粘土は白土、釉薬は織部と透明釉です。
心地よい疲労感の中、織部で飲む酒はなんと申しましょうか、ええと・ええと・・・・・
v( ̄ー ̄)v ・・・言語に絶します。
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◆馬上杯(2) 2007. 05. 21
遥か数千年も前に人類の歴史に登場、アフガニスタンからシルクロードの王道「天山南路」を通じて、世界各地に届けられた群青の準宝石、ラピズラズリ。
ツタンカーメンの棺やメソポタミアの印章・正倉院の宝物に、また古代石窟の仏像や王家の城壁など、世界各地にその神秘の色を今に留めています。
NHK「新シルクロード」を見て以来、ロマン髣髴するラピズラズリに惹かれ、神秘の群青を陶器に再現したい衝動に駆られて作った馬上杯。
釉薬の調合で、容易に再現できると考えたのが、そもそも間違いでした。
悶絶と意気消沈の産物ですが、捨てるにはかわいそう過ぎるので、恥を忍んでひとつだけ展示します。
これでしばらく酒器は作れそうもありません。 (_ _,)/~~ まいった
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ラピズラズリ原石
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◆馬上杯(1) 2007. 03. 17
馬上杯は高台が立ち上がった盃のことで、古代中国の武将が馬に乗ったまま酒を酌み交わしたことに由来するとのことです。
日本では、上杉謙信が馬上杯で酒を飲んだのは有名な話で、つまみは梅干しと塩でした。これが謙信の寿命を縮めたと言われています。(゚-゚;)ウーン、
盃に高台があるだけで、なぜか自然に背筋が伸びて、お酒がとても神々しく感じられます。大陸の歴史大河や戦国武将の世に思いを巡らせながら、神妙に頂くのもいいものですよ。
春夏秋冬をイメージして、右から桜釉、瑠璃肌、織部と黄瀬戸、白マットを掛けました。土は春秋が赤土、夏冬が白土です。
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