月日 |
事項 |
治療内容と結果 | 状況および感想 |
05年 |
術後1ヵ年検診(中間報告に代えて) |
体調、きわめて良好。 これまで改善の兆しがなかった排尿障害も、4月の上旬にかなり改善してることに気づく。夜間、トイレに起きない日など、ここ4〜5年絶えてなかったのだが。 12日、術後1ヵ年検診のため、北海道癌センター外来受診。併せて、以降の治療方針を尋ねる。 9:40「前立腺症状スコア(排尿障害問診票)」に記入 前立腺症状スコア(IPSS) WHOの委員会で決まった国際基準による問診。残尿感、排尿頻度、尿意コントロール等7項目。 各質問の答えの合計は35点満点。結果が7点以下で軽症・8〜19点が中等症・20〜35点が重症。 10:00 前回受診後の体調報告と、Drから前回採血 した PSA値及びIPSSの説明および診察 IPSS問診票総合点 9点 ・術後1年のPSA値として理想的な数値、順調に推移 放射線科受診 12: 00 検査結果等の説明 |
あと半月で、小線源を留置して1年目を向かえる。思えば、アッという間の1年でもあり、長い1年でもあった。 果敢に戦ってくれた70個の線源はその役割を終えたが、果たして作戦通り、癌巣に決定的ダメージを与えてくれたであろうか。 焼き殺す戦術の場合、生き残った癌細胞が完全に死滅するには、もう少し時間を要するとのことである。 焦土と化した我が前立腺内で、癌細胞が再発の機会を覗っていることを、強く認識しざろう得ない。 術後1ヵ年検診では、期待通りのPSA値が確認され、前立腺の体積も手術以前の状態に戻った。排尿障害に至っては4〜5年前の状態にまで回復した。 だが、これで安穏としていられるほど生易しい相手ではない。 完治を期す以上、再発を抑える積極的な医療行為と健康管理が不可欠のはずである。 にもかかわらず、病院は経過観察だけ。再発予防の措置は何も行わない。 日本の癌治療の欠落部分であり、癌死亡率を減少し得ない要因のひとつと思う。 ひたすら待つだけの日々はつらいが、「ないものねだり」をするよりは、今日の1日を全力で生きるほうが、はるかに治癒力を高めよう。 事実、不屈の精神力で、私とは比較にならない困難な状況を、見事に克服した事例は数限りない。 凡夫たる自分の限度は承知しつつも、小線源療法の戦果をバネに、日々の生活に最善を尽くそうと思う。 敵の弱点を突く戦術は意外と身近にあるのかもしれない。 13日、妻と母と3人で北海道神宮に詣でた。 桜花爛漫の下、何故か日露戦争連合艦隊の解散式で行った東郷司令長官の演説が脳裏に蘇った。 自分ですら可笑しいのだから「古い奴」と笑う向きも多かろうが、これを座右の銘として強く生きたい。 神明は、ただ平素の鍛錬に努め、戦わずしてすでに勝てる者に勝利の栄冠を授くる。 同時に一勝に満足して治平に安ずる者より直ちにこれを奪う。 古人曰く、「勝って兜の緒を締めよ」と。 東 郷 平八郎 |