前立腺生検を行う

月日 

事 項  
治療内容と結果   状況および感想 



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針生検実施のため入院


21日 入 院

 主治医と麻酔科医から検査の説明、Nrからは看護方針の説明あり

抗生剤アレルギーテスト実施

 食事・風呂等全て自由

 

22日 入院2日目

体重測定、体温・血圧測定、

以降は終日行動制限なし



23日 検査前日

 検査本番に備えて入浴

 夕食後は、食事制限となる

 体温・血圧測定、下剤服用

 

24日 検査当日

 朝から点滴開始

 朝・昼共に食事なし

下剤・浣腸で腸を空にする

13:15 手術室へ

13:30 手術台上、横向きの姿勢で腰椎麻酔
    太腿の麻酔の効き目を確認
    上向きの姿勢になり、検体の採取を開始
     器具音パチパチ聞こえるも感触なし
    
14:30
 針生検終了
    検査後は、麻酔の副作用防止のために 
    べッドから起きることを禁じられる

18:00
 横になったままの夕食

21:00
 強烈な尿意と便意に襲われ、苦痛を訴え
   て、Nrから鎮痛剤を貰う。

21:30
 オマルに多量の血便を排出  

 

25日 検査翌日

 正午、点滴終了・導尿管撤去
 トイレの度に激痛を伴う血尿。
 Drの話では、経過はよいとのことだが血尿・血  便治まらない。

 

26日 退 院

 血尿はやや改善の兆しがあるも血便治まらず、座薬を貰って退院





  DrNrの丁寧な対応に、札幌に来た甲斐があったと満足。 

何度もNrが病室を訪れてくれるが、要望も心配事もない。今や、検査の無事終了を願うのみ。





 
 暇をもてあまし、外出許可を願い出て、書店巡りをする。足が自然と、医療関係の書棚に向かう。





 
 休日の病棟は、きわめて穏やか。手術前の患者にだけ認められる入浴を、一人ゆっくり楽しむ。 









 今日はさすがに、緊張感に襲われる。
 稚内から駆けつけた妻の第一声が「ヤーダ、顔色悪いよ。びびってるの」。



 
 手術室からスタンバイ・オーケーの連絡。
 何故か、満面の笑みで「バイバイ」する妻に送られて手術室へ。
 
 
検査はまったく痛みが無く、意外に早く終了。
 苦痛を訴える手記がけっこうあったが、これは麻酔手法の違いによるものか。

 夕食は美味しかった。
 しかし、麻酔が切れた後、切迫した排尿感(実際は導尿管で排尿している)と悪寒に悩まさる。

 とても眠れるものではない。「こんな時にこそ側に居れ」と追い返した妻を恨む。

 予想外の苦痛にイラつく。
 早朝に来院したものの、同情の欠片も見せない妻に八つ当たり。
 
痛みに弱いと笑わば笑え、この薄情もの女が。
 痛いものは
"いたーい!"のだ。

 


 







 痛みが残ったままの退院。
 少々不安ではあるが、23日中に治るとのことで、家路に着く。後は、神のみぞ知る結果待ち。



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針生検の結果判明



「家族を同伴するように」とのDrの指示で妻と出札、外来で主治医から説明を受ける。

検査結果は

   側葉3ヶ所から癌組織検出
  悪性度は「中分化型」
  グリーソン値  6

であった。

  
  高分化型 (おとなしいタイプの癌)
  低分化型 (悪性度が高いタイプの癌)
  中分化型
 (その中間の癌)
 に分類される。現状把握と予後対策の尺度  とする。
低分化型が最も治療困難で、死亡 率も高い

グリーソン値
 2から10までの9段階で表される。
   234は分化度「高」
   567は分化度「中」
   8910は分化度「低」
 
値が高いほど悪性で死亡率も上がる

次の段階として
がどのくらい進んでいるか」、他に「転移  がないか」を検査する
検査は10日後の18日で、この結果を見て今後 の治療方針を決める

当院の治療方針としては
PSA値・グリーソン値・年齢、全身状態を考慮 の上、患者の希望を尊重して治療方針を決定する
転院やセカンドオピニオン(主治医以外のDrの 意見)を希望する場合には、診療情報の提供等 、協力は惜しまない

とのこと。



 誰かのホームページに
この瞬間を「最後の審判」と書いてあったことを思い出しつつ妻と診察室に入る。 

Drの表情が暗い。またしても不吉な予感。
 「残念ですが3カ所から組織が検出されました」とのこと。やはり予感は的中。

ここで慌てたら男じゃないと自分に言い聞かせて「そうでしたか---。詳しくお話し下さい」といったはず。

年齢相応の応対はできたろうが、頭の中は真っ白だった。「前立腺内に留まる初期段階ですから、完治可能です」とのDrの声に送られ、診察室を後にする。

「何でわたしが----」、無念の情がこみ上げる。
  そんな折も折「あなた、焦ったでしょう。目が飛んでいたわよ」とは、なんたる言い草。励ますならば、それにふさわしい「物言い」があるだろうに。
 
 「焦ってなんかいない。想定内の結果だ。俺に、焦る暇などない」と精いっぱい力む。

実際、職場では年度末を控えて、課題が山積。私にとって、最後となる市議会も目前に迫っている。

今、職業人としての生き様が問われているのだと思う。残り一月半ではあるが、日々の充実を期して、38年間の公務員生活を悔いなく終えたいものである。

 結果は非情だったが、驚異的に正確なPSA検査と、これを勧めてくれた職員課に感謝するべきであろう。

 
 完治可能な病期で、癌を発見できたのだから。
 そして、理事者から打診あった再就職の件にも、迷わずに辞退する決意ができたのだから。